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知らないと失敗する業務プロセス図作成の基本

組織に属し、ビジネスマンとして過ごしている方は、必ずと言っていいほど「業務プロセス図」を作成したことがあるかと思います。業務の流れを視覚化する業務プロセス図は、普段意識しづらいプロセスの繋がりを知ることができ、業務効率を阻害する問題点を発見したりと、新たな気づきを与えてくれるものです。

そして何より、業務プロセス図はビジネスプロセス管理において非常に重要な要素です。

BPM活動ではまず組織が持つビジネスプロセスを可視化するところから始めるので、当然ながら業務プロセス図を作成します。しかし、どんな方法でもいいというわけではありません。業務プロセス図は異なる部門間における「共通言語」でなくてはならないのです。

本記事ではそんな、業務プロセス図作成の基本について紹介していきます。

良い業務プロセス図と悪い業務プロセス図

単純に、良い業務プロセス図とは「分かりやすい図」で、悪いプロセス図とは「分かりにくい図」です。具体的な例を見ていきましょう。

≪良い業務プロセス図

 業務プロセス図1 (1)

≪悪い業務プロセス図

業務プロセス図2 

引用:「【業務フローの書き方】良いフローと悪いフローの3つの違いとは?

上記2つの画像はいずれも同じ業務プロセスを図式化したものです。にも関わらず、まったく違った業務プロセスを描いたかのようにも見えます。

良い業務プロセス図の特徴

1枚目の良い業務プロセス図はまず、開始点が一つで、業務プロセスのスタートが明確になっています。さらに条件分岐を積極的に用いることで、複雑な業務プロセスを可能な限り簡素化した図になっています。

これならば、おそらく他部門の従業員が見ても業務プロセスを明確に理解することができるでしょう。

悪い業務プロセス図の特徴

良い業務プロセス図と対比させて見てみると、悪い業務プロセス図では業務の開始点がいくつもあり、どこからスタートするのかが不明慮です。従って図を見た他部門の従業員は、一体どのように業務が始まっているのかを理解できません。

業務の流れを表す線も重複している箇所があり、フローを明確に理解することができません。これでは同じ部門に所属している従業員でないと業務プロセスを理解できないでしょう。

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業務プロセス図作成の基本の「キ」

冒頭でも述べましたが業務プロセス図は部門をまたいだ「共通言語」でなくてはなりません。つまり、誰が見ても直感的に理解できるような、わかりやすい業務プロセス図を作成することこそが基本となります。

では、わかりやすい業務プロセス図を作成するにはどうすればいいのでしょうか?

図形を使用しアイコンなどを使わない

たまに以下のようなアイコンを使用した業務プロセス図を見かけます。

 アイコン図

引用:「プロセス図の描き方とお作法--実は超簡単 ! - (page 2) 

アイコンを使用した業務プロセス図は見た目的にはお洒落で、一見わかりやすいようにも感じますが、図形で作成した業務プロセス図を比較するとやはりわかりづらいと感じます。

 図式使用

やはり業務プロセス図は図形で作成するのがベターだと言えます。

組織全体で共通の規格を使用する

「共通言語でなくてはならない」ということは、各部門がすべて同じ規格で業務プロセスを作成しなければなりません。各部門が異なった規格で業務プロセス図を作成してしまうと当然、誤解やトラブルを発生させたり、各業務プロセス図を統合する際に統一された規格に変換する作業が発生します。

これらはBPM活動において大きな弊害です。排除するためには、統一された業務プロセス図作成規格を使用する必要があります。

業務プロセス図の意義を理解する

BPM活動において業務プロセス図はどんな意義を持つのか?これを理解しているかいないかで、わかりやすい業務プロセス図を作成できるか否かが決定します。

業務プロセス図は単に業務手順や仕事内容を可視化するだけでなく、業務プロセスごとの複雑な関り合いを可視化するという役割を果たします。ひいては、業務プロセスごとの繋がりに隠れている問題点を発見することにとても効果的なのです。

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BPMNで業務プロセス図を作成してみる

業務プロセス図作成では「共通の企画を使用する」と基本を紹介しましたが、問題はどの規格を使用するかです。業務プロセス図作成における規格はいくつかありますが、最も広く活用されるのがBPMN(ビジネスプロセスモデリング表記)です。

BPMNは20045月にBPMI(ビジネスプロセス管理イニシアチブ)によって策定され、現在ではQMG(オブジェクトマネジメントグループ)によって管理されています。 

BPMNの特徴は少ない図形で複雑な業務プロセスを描けることで、ルールさえ知っていれば誰もが作成することができ、また誰もが理解することができます。さらに、BPEL(ビジネスプロセス実行言語)と呼ばれるアプリケーション実行言語との互換性があり、作成した業務プロセス図をそのままシステムに落とし込むことも可能です(この場合専門的な知識が必要)

ともあれ「誰でも作れて理解できる」というのがBPMN最大の特徴です。

BPMNで使用する主な記号

BPMNによる業務プロセス作成で基本となるのは「丸」と「四角形(角丸)」と「菱形」、そして「線」です。

「丸」は業務プロセスの開始、中間、終了を意味し、「四角形」は作業を意味します。そして「菱形」は判断による条件分岐を意味し、「線」は各図形を繋ぎ業務プロセスの流れを意味しています。

BPMN記号

引用:「プロセス図の描き方とお作法--実は超簡単 ! - (page 2) 

また、レーンで業務プロセスに関わる部門や人を表すことによって、全体的な流れをわかりやすくすることができます。

身近な「プロセス」をモデル化してみよう

既にBPMNのルールは理解していただけたのではないかと思います。BPMNによる業務プロセス図作成は非常に簡単です。そのためのツールもリリースされていますし、ExcelPowerPointなどでも作成することができます。

もっとも、部門をまたいで展開される複雑な業務プロセス図を作成するさいは、少し苦労するかもしれません。

まずはBPMNで業務プロセス図を作成することが大切なので、一度身近なプロセスをモデル化してみてください。「業務プロセス」でなくともいいのです。例えば朝起きてから歯を磨いて、家を出るまでのプロセスを描いてみましょう。

一度でも作成できれば自転車に乗るようなもので、その後も作成方法を忘れることはないでしょう。

まとめ

BPM活動において重要な業務プロセス図作成。本記事で紹介した基本さえ押さえれば、誰でも簡単に作成することができます。ただし、前述したように複雑な業務プロセスを作成するには多くの時間と手間がかかります。そこで、ITツールによる業務プロセス図作成をご検討ください。

BPMシステムはBPMNに準拠した「モデリング機能」により業務プロセス図を容易に作成し、同時に業務プロセスの再設計と実行、そしてモニタリングまで行うことができます。BPM活動へ取り組む際は非常に有効的な効率化手段です。

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