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IoTでできることを身近な例と共に解説! 社会課題の解決事例からAI連携まで

IoTは、センサーによって取得された情報をインターネット上のサーバーに送信し、機器制御などに活用する技術です。DXを実現する技術としても注目を集めるIoTは、従来ではできなかったような機能やサービスを可能にし、さまざまな社会課題の解決に役立つと期待されています。

本記事では、ビジネスにおいてIoT活用を検討する際に役立つ情報を提供することを目的に、IoTの基本的な仕組みやさまざまな分野でのIoT活用例を紹介します。

IoTでできることを身近な例と共に解説! 社会課題の解決事例からAI連携まで

そもそもIoTとは?

IoT(Internet of Things)とは、センサー技術を使用して従来はインターネットに接続していなかった機器をインターネットに接続する技術です。パソコンからインターネットに接続するのではなく、機器(モノ)から接続することから、「モノのインターネット」とも呼ばれています。

機器をインターネットに接続することで、さまざまな新しい機能やサービスが生み出されています。たとえば、センサーが心拍数や睡眠時間などのデータを蓄積して健康管理をサポートするウェアラブルデバイスや、外出先からスマホでオン・オフを操作できるエアコンなどがあります。

IoTは、未来の日本にとって欠かせない技術のひとつです。政府は「Society 5.0」という概念を掲げ、仮想空間と現実空間を融合させた社会を目指しています。AIやIoT、ロボットなどの先進技術を活用し、経済発展と社会的課題解決の両立を目指すものです。そして、あらゆるモノと人がつながり、新たな価値を創出するIoTがキーテクノロジーとして期待されています。

【参考】
内閣府 「第6期科学技術・イノベーション基本計画」
公共部門向け生成系AIユースケース集
ビジネス立案に役立つ!最新テクノロジー大全

IoTの仕組み

IoTは、基本的には以下の流れで動作します。

①機器に搭載されたセンサーが、振動、熱、音、赤外線などのデータを取得します。
②取得したデータは、有線LAN・無線LAN・SIMなどを介して、一定の間隔でインターネット上のサーバーに送信されます。
③サーバーでは、受け取ったデータを分析します。すでに持っているほかのデータと組み合わせることもあります。
④分析結果に基づいて、機器に対して適切なアクションがフィードバックされます。

この仕組みにより、遠隔監視や遠隔制御、機器間の通信などが可能になります。前述のウェアラブルデバイスの例で説明すると、①ウェアラブルデバイスに組み込まれたセンサーが心拍数などのデータを取得し、②取得したデータを直接またはスマートフォンを経由してサーバーへ送信、③異常がないかなどの分析をした結果、④結果をウェアラブルデバイスの画面に表示したり、異常があればアラート通知を送信したりします。
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IoTの活用でできること

遠隔からモノを操作できる

IoTの活用により、遠く離れた場所にある機器を遠隔で操作することが可能です。遠隔制御、リモートコントロールとも呼ばれます。機器がある場所まで移動する必要がなくなることがメリットです。

たとえば不動産物件の内覧では、従来スタッフが営業所から顧客に同行して鍵を受け渡しする必要がありました。IoTを利用したスマートロックを使用すると、顧客はスマホで事前に内覧時間を予約し、その時間内だけ鍵を開閉できる専用のURLを受け取ることで、スタッフの同行がなくても内覧できます。

遠隔からモノの状態を把握できる

センサーは、温度だけでなく音や光などさまざまなデータを取得できます。それらのデータをサーバーに送信することで、離れた場所から機器の状態を把握できます。遠隔監視とも呼ばれます。

地方自治体における水害対策として導入されているのが河川の水位センサーです。従来は河川に水位計を設置し、職員が定期的に現地に足を運んで計測する必要がありました。河川に小型の水位センサーを設置することで、パソコンで遠隔から水位状況を把握できるようになるほか、急な水位上昇などが発生した際にアラートメールで通知できます。職員のパトロール負荷の軽減や休日・夜間を含めた24時間保守が実現できます。

遠隔からモノの動きを検知できる

センサーやネットワークカメラなどを活用して、人やモノの状態をリアルタイムに監視できます。

たとえばタイヤメーカーが提供するタイヤ管理サービスでは、自動車にセンサーを設置してタイヤの位置情報や空気圧を取得してクラウドサーバーへ送信しています。顧客は自身のスマホでタイヤの状態をリアルタイムで確認できるほか、異常があればアラート通知で知らせてもらえる仕組みです。自動でタイヤの状態を検知することでメーカーは点検作業の省人化になるほか、ベテランのノウハウを自動化することで技術継承にもつながります。

モノ同士で通信させられる

IoTでは、インターネットを経由して、機器同士がデータのやりとりをおこなうことができます。

この機器同士の通信を指す概念として、古くから「M2M(Machine to Machine)」が知られています。M2Mはネットワーク接続した機器が互いに通信し、自動で制御をおこなう仕組みです。たとえば自動車のスマートエントリーシステムでは、カギを挿さなくても車に近づくだけで自動的に開錠されるようになっています。また自動販売機では、商品の在庫が減少すると自動的にセンターに在庫情報を通知するなどの用途で利用されています。M2Mでは、主な目的はセンサーからのデータ収集および機器の制御です。

機器同士が通信し、人手を介さずに制御をおこなう点はIoTと共通しています。M2MとIoTとの違いは、M2M の通信手段がインターネットに限らないことや、接続対象が機器に限定されていることです。また、インターネット経由で蓄積した膨大なデータの分析を通してほかの機器を制御できるのは、M2MにはないIoTの特徴です。しかしこのふたつの概念は明確な区別がしにくいことからIoT/M2Mという表現が使われることもあります。

IoTの身近な例

IoTは、ビジネスシーンだけでなく、日常生活のなかにも数多く見ることができます。

たとえば、離れて暮らす高齢の親を見守るサービスとして湯沸かしポットの利用状況から安否を確認できるものがあります。親が湯沸かしポットを使用すると、ポットに搭載されているセンサーが操作情報を蓄積し、クラウドサーバーへ蓄積して定期的に家族にメール通知する仕組みです。

また音声で操作できるスマートスピーカーもIoT機器の代表例です。これは話者の発話内容をスマートスピーカー側で音声認識し、その内容をクラウドサーバーへ送信して自然言語処理をおこなった後に、適切な返答や操作指示を返す仕組みです。

【分野別】IoTで社会課題を解決する活用事例

社会全体で見ると、IoTを導入している企業は2020年時点で約2割と決して多くはありません。しかし、導入した企業の8割以上は「(非常にまたはある程度)導入効果があった」と答えていることから、将来的にIoTの導入に踏み切る企業はさらに増えることが予想されます。

また、分野ごとにIoTの活用状況を見てみると、すでに製造業をはじめ、医療、物流など、あらゆる分野で活用されている状況です。さまざまな社会課題を解決するだけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に不可欠な技術としてもIoTの活用は拡大しており、大きな成果を上げています。

【参照】
総務省「企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況」

【医療・介護】モニタリング

医療・介護分野では、医者や介護従事者の作業負担を軽減する目的でIoTが活用されています。従来は看護師が計測していた血圧や心拍数を、患者が身に付けたウェアラブルデバイスが自動計測することで、日々の計測作業を軽減できます。また患者本人が気づかない小さな異変も、ウェアラブルデバイスがデータとして検知し通知してくれる仕組みは、病気の早期発見に役立てられています。

また介護施設や病院では、部屋にカメラを設置して対象者が転倒したことを検知すると管理者にアラート通知するシステムなども導入されています。24時間見守ることは困難なため、対象者の安全を確保する助けになっています。

関連記事:介護業界の課題を解決するにはIoTが重要! メリットや事例を解説!

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【観光・文化・娯楽】情報収集・分析

観光・文化・娯楽分野では、IoTが顧客満足度の向上やマーケティング目的で活用されています。たとえば、観光地では通信事業者がスマホから取得して提供している位置情報や属性情報を活用した分析により、従来の観光調査に比べて手間や費用をかけずに、観光客の利用傾向に合わせた集客施策を立案することが可能です。

またフィットネスジムでは、新型コロナウイルス感染症の影響から生じた非接触のニーズに応えるためにIoTが活用されています。利用者はスマートフォンをトレーニングマシンにかざすことで利用でき、利用状況や回数はアプリに自動的に蓄積されます。利用者は自身で数を数える必要がなく、トレーニングに集中できます。一方施設の運営者は、非接触のニーズに応えながら、蓄積したデータを使用して利用者へフォームの修正やアドバイスができます。これにより運営スタッフの省人化につながるだけでなく、運営の効率化にも役立ちます。

【教育・子育て】授業の均一化

教育・子育て分野では、IoTの活用により生徒の学習をサポートする取り組みがされています。従来の授業形式では、教師から生徒へと一方向の授業がおこなわれ、生徒ごとの学習進度や理解度にバラツキが生じることがありました。また、教師が生徒全員の学習状況や苦手分野を把握することは困難でした。

しかし、IoTを活用した教育システムの導入によって、生徒ひとりひとりの学習状況に合わせた指導ができるようになりました。スマホやタブレットを使った教育コンテンツの学習履歴から、その生徒の苦手分野や学習時間、学習の傾向が可視化できます。生徒自身もスマホで学習状況を振り返ることができるだけでなく、収集されたデータは定期的に教師へ配信され、指導に役立てられます。これにより、従来の一斉教育では難しかった質の高い教育の提供が可能になりました。

また、子どもの見守りシーンでもIoTの活用が進んでいます。一部の地方自治体でおこなわれているのが、小学生にBluetoothが搭載された見守り端末を持たせ、地域の大人や見守りスポットを通過した記録や位置情報を記録する見守り事業です。保護者は登下校時に付き添わなくても、見守りアプリを通して負担感なく子どもの行動を把握できます。

【交通・物流】時間・スペースの効率化

交通・物流分野では、IoTを活用して管理の効率化や効果的なリソース活用がおこなわれています。たとえば物流現場では、配送コンテナに温度センサーやRFIDタグを取り付け、輸送中の温度管理や移動管理をしています。これにより確認作業を大幅に削減し、作業時間の効率化を実現します。さらに、コンテナやラックにRFIDを取り付けることで、ロボットが自動で作業する自動ピッキングが可能になります。これにより、倉庫に格納する際に、人が作業しやすい配置の考慮が不要になるため、スペースの効率化が実現します。

医薬品輸送においては、品質劣化を防ぎ完全性を保証するためガイドラインに基づく厳格な管理実施が定められています。そのため医薬品の輸送時には正確な温度管理が求められています。位置情報、温度、湿度データを計測できるセンサーをコンテナに設置することで、適切な温度管理をしながら配送できるようになります。手作業で温度を管理するのは現実的ではなく、IoTが欠かせません。

また交通分野では、利用者の満足度向上を目的としてIoTが活用されています。バスの遅延情報を可視化するために運行中のバスにビーコン端末を設置し、停留所のディスプレイに到着予想時刻を表示する取り組みも進んでいます。これにより、利用者はバスの遅延が一目でわかり、待ち時間の予測ができるようになります。

関連記事:物流業界にIoTを導入するメリットと事例、活用IoTの種類

関連記事:スマートロジスティクスとは?AIやIoT活用で物流はどう変わるのか

【生産性向上】生産ラインの最適化

製造分野では、IoTを活用して生産性向上、業務効率化に取り組む事例が多く見られます。工場機械にセンサーを搭載し、稼働状況を記録することで、業務効率化や人員の適正配置などに役立てられています。

たとえば、製造機械にセンサーを取り付け、稼働時間を可視化する方法があります。機械が使われていない時間を明らかにして、該当時間帯のシフトを減らすなど、適切な人員配置が可能になり人件費の削減にもつながります。

【農林水産業】生産・育成の管理向上

農林水産分野では、農業従事者の高齢化や低収益性、過酷な労働環境といった課題を解決する手段としてIoTが活用されています。

たとえば、錦鯉の養殖現場では事業所といけすまでの距離が遠く、往復で何時間もかかる距離を定期的な見守りのためにスタッフが行き来していました。IoTで池付近にセンサーとカメラを設置して水位や酸素量などのデータを取得するようにしたことで、見守りをするスタッフの作業負担が軽減したほか、取得したデータを分析することで品質の安定も実現しました。

働き手不足に悩む畜産業界では、牛舎や牛にセンサーを取り付けて牛の状態を自動検知できるシステムを開発し、活用しています。畜産農家の労働力軽減や収益性の向上につながるほか、IoT技術の活用により「スマートで稼げる畜産」を実現して産業としての人気度を高め従事者を増やすことも目指しています。

さらにAIやIoTを使用して収穫をするロボットや、カメラ付きのドローンを使用した農作物見守りシステムの導入も進み始めています。経験が浅い農家でも過去のデータや他者の知見に基づいた的確な成育管理が可能になるほか、長時間同じ姿勢でおこなう作業の軽減や、炎天下や寒さなど過酷な収穫環境の改善も期待されています。

関連記事:農業のIoTとは? 活用メリットや事例、注目される背景

【防災】災害発生時の即応力向上

防災分野では、災害発生時に迅速な情報収集・対応をするための手段としてIoTが活用されています。たとえば地方自治体の防災対策においては、防災情報システムへの登録は防災課の職員が電話やFAXの情報を集約して入力していたため、災害時には迅速なデータ入力および共有が困難でした。そこでIoTで収集した情報が自動でシステムに登録されるようにしたことで、情報の登録作業において大幅な時間短縮につながりました。さらにカメラの映像も迅速に共有できるため、正確な状況把握および迅速な意思決定にも役立っています。

【誰一人取り残されないための取組み】地域格差の是正

行政分野では、政府が掲げる「誰一人取り残されない、人に優しい」デジタル社会の実現を目指すための取り組みとしてIoTが活用されています。

たとえば、高齢者の血圧情報をクラウドシステムに送信し、自治体職員や医療従事者、福祉事業者などが共有して健康把握や早期の異常発見に役立てています。地域によっては病院や医者の不足により医療サービスの維持が困難なところもあります。IoTにより、日常的なケアを効率化し、少ない人員でも必要な医療サービスを提供できる体制を構築することが求められています。

IoTを支える主な技術・規格

前述のとおり、IoTとはセンサー情報をインターネット上のサーバーへ送信しリアクションを返す仕組みです。IoTは、大きくデバイス、ゲートウェイ(ネットワーク)、サーバーにより構成されており、デバイスにはセンサーとアプリケーションが、サーバーにはアプリケーションが、それぞれ搭載されています。ここでは、IoTを理解する上で必要となる基本的な情報を簡潔に紹介します。

アプリケーション

IoTでは、取得したデータを処理・分析するアプリケーションが必要です。データを分析し、通知や制御といったアクションをデバイスに実行させます。たとえば、ユーザーが質問する音声を認識し回答をデバイス上に表示する、規定を超える数値がセンサーにより認識されたらアラートを送る、日照時間や降水量を分析し適量の水を散布する、といったことができるのは、アプリケーションの働きによるものです。

デバイス(モノ)

IoTにおけるデバイスとは、スマートフォン、パソコンだけでなく、家電、車、工場機械なども対象です。デバイスには、SoC(システム・オン・チップ)と呼ばれる、デバイスが果たすべき役割を実行するために必要な装置や機能がまとめられた小さな部品が搭載されています。デバイスがインターネットにつながったり、画像を表示したりといった動作を単体でおこなえるのは、SoCの働きによるものです。

センサー

センサーは、機器や周辺環境の状態を取得するために使用します。音、イメージ、温度、湿度、加速度、ジャイロ(傾き、角速度)、光、など、取得したいデータに会わせてセンサーを用意します。

通信

IoTでは、センサーからサーバーへデータを送信する際、またサーバーから機器にアクションを返す際に通信をします。IoTでは、Wi-Fi、Bluetoothのほか、LPWA、5Gなどの通信が使用されています。

LPWA(Low Power Wide Area)

LPWAは通信方式のひとつで、消費電力を抑えて遠距離の通信ができるという特徴があります。速度は数kbpsから数百kbpsと、Wi-Fiやモバイル通信と比較して低速です。しかし、低コストであることに加え、ボタン電池ひとつで数年稼働でき、数キロ~数十キロメートルの長距離通信が可能なLPWAは、IoTに適した通信方式として注目されています。

LPWAは、携帯電話の周波数を用いる、免許が必要なライセンスバンドと、免許が不要のアンライセンスバンドに大別できます。前者はLTE-MやNB-IoT、後者はSigfoxやLoRaWAN が知られています。それぞれ規格により通信距離や速度が異なり、障害物が多い環境に適した方式や長距離通信に適した方式など、得意とする分野も異なります。

5G

5Gとは、5th Generation(第5世代移動通信システム)の略称です。高速・大容量、超低遅延、そして同時多数接続が特徴で、2020年から商用利用が開始しています。膨大な量の端末を同時接続可能になったことで、IoTでの活用も期待されています。さらに車の自動運転など、超低遅延の特徴を生かしてリアルタイムで通信をしたい場合に活躍します。

もうひとつ、IoTの利用シーンで5Gが注目されている理由にローカル5Gの存在があります。これは通信事業者でなくても自社の敷地内などで5Gネットワークを構築できる通信規格です。工場内で稼働しロボットの通信に利用する用途や、建設現場で作業機械の通信で利用する用途などが考えられます。

IoTとAIの連携で実現する未来のデジタル社会

IoTは、AI(人工知能)と連携することでさらに多くのことができるようになります。

AI(Artificial Intelligence/人工知能)とは

AIは、日常生活やビジネスのあちこちで利用され、大変身近になった技術です。2022年11月に公開されて話題になった対話サービスのChatGPTもAIを活用したものです。

AIの確立した定義はありませんが、人間の脳と同じように機能するプログラムを指します。具体的には、識別、分類、予測などをする目的で活用され、特定条件下での商品販売量の予測やSNSでの不適切画像の判別、製造現場での不良品発見といった用途で利用されています。

AIの概念には、機械学習、深層学習(ディープラーニング)が含まれます。機械学習は、正解を持ったデータを学習することでコンピューターがルールや知識を見つける手法で、ルールベースでは難しい複雑な問題でも活用できます。ディープラーニングは機械学習のひとつで、大量のデータを学習しながら対象物の特徴などを自動で見つけ、分析することが可能です。

IoTとAIを連携させる理由

IoTにより膨大なデータが収集され、インターネットを介して蓄積されていきます。こうして生み出されたビッグデータを分析し、サービスに活用するには、AIが欠かせません。

たとえば工場機械の異常検知をおこなう際には、センサーが取得した振動や音などを元にAIが学習し、どのような振動や音が異常なのかどうかを判断する必要があります。

AIとIoTの連携により、より高度で価値が高いサービスを提供できるようになります。

実現が期待される未来のデジタル社会

政府が未来のすがたとして掲げる「Society5.0」は、あらゆるモノや人がIoTでつながり、データが共有されて新しい価値を生み出せる社会です。さらにAIやロボット、ビッグデータなどの技術で現実空間と仮想空間を融合させ、社会課題の解決と経済発展が両立した新しい社会です。ロボットやAIが、人間の代わりに作業したり、人間の活動をサポートしたりできるようになり、人々の生活をより豊かにしてくれることが期待されています。

ロボットやAIが適切に動けるようになるためには、IoTを通して集められるビッグデータが必要です。ビッグデータをAIが分析することで、ロボットへ必要な指示を送れるようになります。このような社会の実現のためにはIoTやAIの活用が欠かせません。

【参考】
内閣府 Society 5.0

まとめ

IoTは、センサーから取得したデータを利用してさまざまな機能・サービスを提供できる技術です。外出先から家の機器を操作できるといった日常生活での利便性向上だけでなく、医療・介護分野での人手不足、農業・水産業での過酷な労働環境など、社会課題となっているさまざまな問題を解決できる可能性を持っています。政府が掲げるSociety5.0でも、IoTは未来の社会を実現するために欠かせない技術として注目されています。

ビジネスでIoTを活用する機会も増えており、新たなサービスや新規性のあるビジネスモデルも次々と登場しています。比較的低コストで導入・稼働できるのもIoTの魅力で、政府や大企業だけでなく中小企業にとっても大きな活用可能性があります。
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